サボテンの恋
「乗らないんですか?」
上から降ってきた声にハッとする。
小春が視線を上へ向けると、新入社員の石田奏太が立っていた。
エレベーターのボタンを押しながらこちらを不思議そうに見つめる石田に「すみません」と軽く会釈をしてエレベーターに乗り込む。
「川上さん、最近いつもかっこいいスーツですよね」
お洒落なデザインTシャツを着てデニムパンツに身を包んだ石田がニコニコと微笑みながら言う。
比較的規則が自由な会社だが、その中でもライター達はラフな格好をしている人が多く、石田もその中のひとりだった。
編集などの事務的なデスクワークが多い小春も、石田たちほどではないが以前はそれなりにラフな格好をしていた。
ましてや今は夏。いくら夏用のスーツがあるとはいえど、今までそれを着ることはほとんどなかった。
けれど企画リーダーを任されてからのここ数週間は、毎日スーツを着ていた。
ただでさえ実年齢より若く見られがちなので、チームの皆になめられてはいけないと小春なりに考えてのことだった。
上から降ってきた声にハッとする。
小春が視線を上へ向けると、新入社員の石田奏太が立っていた。
エレベーターのボタンを押しながらこちらを不思議そうに見つめる石田に「すみません」と軽く会釈をしてエレベーターに乗り込む。
「川上さん、最近いつもかっこいいスーツですよね」
お洒落なデザインTシャツを着てデニムパンツに身を包んだ石田がニコニコと微笑みながら言う。
比較的規則が自由な会社だが、その中でもライター達はラフな格好をしている人が多く、石田もその中のひとりだった。
編集などの事務的なデスクワークが多い小春も、石田たちほどではないが以前はそれなりにラフな格好をしていた。
ましてや今は夏。いくら夏用のスーツがあるとはいえど、今までそれを着ることはほとんどなかった。
けれど企画リーダーを任されてからのここ数週間は、毎日スーツを着ていた。
ただでさえ実年齢より若く見られがちなので、チームの皆になめられてはいけないと小春なりに考えてのことだった。