サボテンの恋
「昨日の淡いベージュのスーツもかっこよかったですよ」
「あ、ありがとう…」
オフィスも違って喋ったこともほとんどないのに、まるで昔から知っているかのようにフランクに話しかけてくる石田に、だから女子社員にモテるんだろうなと小春は思った。
若い新入社員に限らず、小春の同期にも石田のことを気に入っている女の子は多かったのだ。
スラッと伸びた身長にお洒落に着こなされた服、無造作に踊る茶色の髪。そしてなにより嫌味のない無邪気な笑顔。
仕事ひとすじに駆け抜けてきた小春にはどうでもいいことだったので、こうやって石田をまじまじと見るのは初めてだった。
「…あの、俺の顔になんかついてます?」
「いや、ごめん! なんでもない」
小春はあわてて目をそらす。
人間観察がクセとはいえ、こんなにジロジロと見られたら誰だっていい気はしないだろう。
「あ、ありがとう…」
オフィスも違って喋ったこともほとんどないのに、まるで昔から知っているかのようにフランクに話しかけてくる石田に、だから女子社員にモテるんだろうなと小春は思った。
若い新入社員に限らず、小春の同期にも石田のことを気に入っている女の子は多かったのだ。
スラッと伸びた身長にお洒落に着こなされた服、無造作に踊る茶色の髪。そしてなにより嫌味のない無邪気な笑顔。
仕事ひとすじに駆け抜けてきた小春にはどうでもいいことだったので、こうやって石田をまじまじと見るのは初めてだった。
「…あの、俺の顔になんかついてます?」
「いや、ごめん! なんでもない」
小春はあわてて目をそらす。
人間観察がクセとはいえ、こんなにジロジロと見られたら誰だっていい気はしないだろう。