夢物語
「あのね……さっき見てわかったと思うけど……私持病もちなの」
「あぁ……」
「今まで隠してたけど、心臓悪くてたまに発作が起きるの……冠動脈が弱いんだって」
「……」
「さっきの錠剤は見たとおり薬で、発作を和らげる効果があるの……これから玲音の前でも発作が起きる回数増えるかもしれないから覚えてて?」
「……分かった……」
「今言えることはこれだけ……」
「あのさ……聞きたいことあんだけど?」
「うん?」
「……なんで今まで教えてくんなかったんだよ?発作が起きる前に防げたかもしんねぇのに」
そう。なんで俺にそんな大事な事教えてくんなかったんだよ……今までに俺のせいで何回無理させたんだ?
いきなり言われたって、俺だって受け止めきれねぇよ……
あん時杏奈を失うんじぬゃねぇかって、どれだけ思ったか……
「ごめん……言いにくくて。症状が出た時にちゃんと話そうって決めてたの」
杏奈はうつむきながらそういう。
「今まであんまり症状も大きくなかったから、大丈夫とか思ってたし……」
「それ本気で言ってんのかよ?」
俺はなんでか少し悔しい気がした。
「え?」
「症状が出てからじゃ遅いだろ。症状が大きくなってからだったら手遅れじゃねぇか!」
「だって言えなかったんだもん!」
「俺がどんだけ心配したと思ってる!」
「知らないわよ!ってかだいたいこんなの知らなくてもいい事だったし、今更心配したって遅いのよ」
「知らなくてもいい事ってなんだよ!?俺に隠してなんかあんのかよ」
「なにもないわ!もういい!」
「ちょっ!杏奈!」
少し言い過ぎたのは自分でも分かってる。
けど、俺だってただのバカじゃない。 言いたいことは言わせてもらう。
でも俺がガチで言いたかったのはそんな、杏奈を攻めるような事じゃなくて……
「待てよ!」
先先と足をすすめる杏奈。
「待てって」
「もういいでしょ?ほっといてよ。」
「よくねぇよ!」
「なんでそうして怒鳴るの!」
「お前が心配なんだよ!」
「それ答えになってないし、どこら辺にそんな感情こもってんのよ!」
「俺だって言いたい事あんのに、お前が言わせてくんねぇからだろ!自分だけ喋って終わりかよ?」
「…………」
「それから、はや歩きするの良くないだろ」
俺は杏奈が肩で息をしているのを見ていた。これ以上無理はさせれない。
「言いにくかったのは分かるけど、もっと俺の事頼れよ?」
「でも……」
「杏奈にとって俺ってなんだよ?」
「え……」
悔しいって思ったのは、俺がそのへんの奴らと同じだったから。
彼氏だから頼られたいんじゃなくつ、俺が杏奈の事が好きだから、助けてやりたいんだ。
杏奈はありがとうとだけ言って、その先は黙ってしまった。
そっちのが答になってねぇじゃん!
とか思いつつ言わないでおいた。
「病院までついてきてもらっていい?」
「あたりまえだ」
俺は杏奈の頭をポンポンと撫でると、杏奈に合わせて歩き出した。
杏奈は発作が起きる度に病院に行くらしい。
待合室で俺は杏奈が出てくるのを待っていた。
けど、俺の元にやってきたのは看護師で
「杏奈さんの付き添いの方ですか?」
「はい」
「6階におられますので、ご案内します」
と言って俺を6階まで引率してくれた。
6階は入院病棟だった。
だが、俺が案内されたのは、杏奈の主治医と言う武貞先生の部屋だった。
「君が杏奈ちゃんを連れてきてくれた子ね?」
「はぃ……」
「名前は?」
「田中玲音です」
「玲音君ね。率直に聞くけどあなた杏奈ちゃんのこと好き?」
なんでそんな事突然……
「好きです」
当たり前だ。
「その言葉ちゃんと杏奈ちゃんに言ってあげてね。これから玲音君の存在が大切になると思うから。私はそれを聞けて安心よ」
「はぁあ……」
「杏奈ちゃんにとって玲音君はとても大切みたい……だからあなたも杏奈ちゃんを大切にして欲しいの」
「そんなのあなたに言われなくてもします」
「…………それもそうね」
「何がいいたいんですか?」
「杏奈ちゃん、もう長くないのよ」
「ぇ……」
長くない……?杏奈が?
「どういう事ですか?」
「杏奈ちゃんの命はあと半年程しか持たないわ……」
「…………はん……とし……」
「そうよ」
信じられなかった。
杏奈が半年しか生きられないのか!?
さっきまで元気に見えてたのは?
俺がモノ知らずであいつは無理を……?
「なんで?なんでだよ……」
「玲音君……」
「なんで……あいつ笑ってたくせに……昨日までは全然元気だって思ってたのは俺だけかよ……なんで今まで何もしてやれなかったんだよ……」
「」
「あぁ……」
「今まで隠してたけど、心臓悪くてたまに発作が起きるの……冠動脈が弱いんだって」
「……」
「さっきの錠剤は見たとおり薬で、発作を和らげる効果があるの……これから玲音の前でも発作が起きる回数増えるかもしれないから覚えてて?」
「……分かった……」
「今言えることはこれだけ……」
「あのさ……聞きたいことあんだけど?」
「うん?」
「……なんで今まで教えてくんなかったんだよ?発作が起きる前に防げたかもしんねぇのに」
そう。なんで俺にそんな大事な事教えてくんなかったんだよ……今までに俺のせいで何回無理させたんだ?
いきなり言われたって、俺だって受け止めきれねぇよ……
あん時杏奈を失うんじぬゃねぇかって、どれだけ思ったか……
「ごめん……言いにくくて。症状が出た時にちゃんと話そうって決めてたの」
杏奈はうつむきながらそういう。
「今まであんまり症状も大きくなかったから、大丈夫とか思ってたし……」
「それ本気で言ってんのかよ?」
俺はなんでか少し悔しい気がした。
「え?」
「症状が出てからじゃ遅いだろ。症状が大きくなってからだったら手遅れじゃねぇか!」
「だって言えなかったんだもん!」
「俺がどんだけ心配したと思ってる!」
「知らないわよ!ってかだいたいこんなの知らなくてもいい事だったし、今更心配したって遅いのよ」
「知らなくてもいい事ってなんだよ!?俺に隠してなんかあんのかよ」
「なにもないわ!もういい!」
「ちょっ!杏奈!」
少し言い過ぎたのは自分でも分かってる。
けど、俺だってただのバカじゃない。 言いたいことは言わせてもらう。
でも俺がガチで言いたかったのはそんな、杏奈を攻めるような事じゃなくて……
「待てよ!」
先先と足をすすめる杏奈。
「待てって」
「もういいでしょ?ほっといてよ。」
「よくねぇよ!」
「なんでそうして怒鳴るの!」
「お前が心配なんだよ!」
「それ答えになってないし、どこら辺にそんな感情こもってんのよ!」
「俺だって言いたい事あんのに、お前が言わせてくんねぇからだろ!自分だけ喋って終わりかよ?」
「…………」
「それから、はや歩きするの良くないだろ」
俺は杏奈が肩で息をしているのを見ていた。これ以上無理はさせれない。
「言いにくかったのは分かるけど、もっと俺の事頼れよ?」
「でも……」
「杏奈にとって俺ってなんだよ?」
「え……」
悔しいって思ったのは、俺がそのへんの奴らと同じだったから。
彼氏だから頼られたいんじゃなくつ、俺が杏奈の事が好きだから、助けてやりたいんだ。
杏奈はありがとうとだけ言って、その先は黙ってしまった。
そっちのが答になってねぇじゃん!
とか思いつつ言わないでおいた。
「病院までついてきてもらっていい?」
「あたりまえだ」
俺は杏奈の頭をポンポンと撫でると、杏奈に合わせて歩き出した。
杏奈は発作が起きる度に病院に行くらしい。
待合室で俺は杏奈が出てくるのを待っていた。
けど、俺の元にやってきたのは看護師で
「杏奈さんの付き添いの方ですか?」
「はい」
「6階におられますので、ご案内します」
と言って俺を6階まで引率してくれた。
6階は入院病棟だった。
だが、俺が案内されたのは、杏奈の主治医と言う武貞先生の部屋だった。
「君が杏奈ちゃんを連れてきてくれた子ね?」
「はぃ……」
「名前は?」
「田中玲音です」
「玲音君ね。率直に聞くけどあなた杏奈ちゃんのこと好き?」
なんでそんな事突然……
「好きです」
当たり前だ。
「その言葉ちゃんと杏奈ちゃんに言ってあげてね。これから玲音君の存在が大切になると思うから。私はそれを聞けて安心よ」
「はぁあ……」
「杏奈ちゃんにとって玲音君はとても大切みたい……だからあなたも杏奈ちゃんを大切にして欲しいの」
「そんなのあなたに言われなくてもします」
「…………それもそうね」
「何がいいたいんですか?」
「杏奈ちゃん、もう長くないのよ」
「ぇ……」
長くない……?杏奈が?
「どういう事ですか?」
「杏奈ちゃんの命はあと半年程しか持たないわ……」
「…………はん……とし……」
「そうよ」
信じられなかった。
杏奈が半年しか生きられないのか!?
さっきまで元気に見えてたのは?
俺がモノ知らずであいつは無理を……?
「なんで?なんでだよ……」
「玲音君……」
「なんで……あいつ笑ってたくせに……昨日までは全然元気だって思ってたのは俺だけかよ……なんで今まで何もしてやれなかったんだよ……」
「」