いつかあなたに還るまで

児童養護施設『陽だまりの里』
ここは志保が高校生の頃からボランティアで通い続けている施設だ。

人並みにアルバイトなどもしてみたいという願望もあったが、祖父がそれを許してはくれなかった。それならばせめてと志保たっての願いで、何度も何度も説得を繰り返し、高校に上がるのと同時にボランティアに参加させてもらう許しを得た。

もちろん行き帰りは送迎つきで完全な自由の身とはいかないが、それでも志保にとってここで過ごす時間は何よりもかけがえのない安らぎの場だった。

キラキラの笑顔で自分を待ってくれている子ども達がいる。
時間の許す限り志保は週末の時間を利用してここに通い続けているのだ。


特に今日はどうしても子ども達の笑顔が見たかった。

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