いつかあなたに還るまで


_______


「……う…」


『おい、こいつの服見てみろよ。今時つぎはぎだぜ? 信じらんねー。おい貧乏人、こっちに来んなよ。ビンボーがうつんだろっ!』

『こいつ貧乏人のくせに勉強だけはできるんだよなー。あ、貧乏だから勉強以外することがねーのか。ギャッハハハ!』

うるさい…黙れ…
貴様らに何がわかる……低俗なお前達に、何が…

『知ってるか? こいつの母親フーゾクで働いてんだぜ。親がする仕事じゃねーよなー。警察に通報したら捕まえてくれんじゃね?』

『きったねーよなー。病気とかうつすんじゃねーぞ』

やめろ…
それ以上何も言うな。それ以上…


『……ごめんね。ごめんね、隼人。私が母親だったばかりにあなたにこんな辛い思いをさせて…ほんとにごめんなさいっ…』


やめろ…謝ったりするな。
どうして母さんが謝らなきゃならないんだ。
どうして…!

…俺を置いて行かないでくれ…
待ってくれ…先に逝かないでくれっ…
俺を一人残していかないでっ____




______ 待ってくれっっっっっっ!!!!




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