いつかあなたに還るまで
_____トクントクントクントクン…
なんだろう…すごく、気持ちがいい…
いつだっただろう。ずっとずっと昔、いつかもこんな風に大きな何かに包まれていたような気がする。
…あぁ、そうだ。
あれはまだ父と母が生きていた頃。
いつだって両親はこうやって私を守ってくれていた。
いつも笑って、いつも抱きしめてくれて。
そんな私達には確かな幸せがあった。
「……おと…さ…」
夢現に口にした言葉に、ピクッと瞼が動いた。
「………? え…あれ…?」
ぼーっとする頭と視界に、自分が眠っていたのだと理解する。
昨日は確か施設に行って、その後彼と会う約束をしていて…
「……あれ?」
そこまで考えて急速に頭が冴えてくる。
自分は今どこに……いる?
「______っ?!」