いつかあなたに還るまで
重なる唇
「あっ、しほおねえちゃーーん!!」
「るぅちゃん、元気だった?」
「げんきだったよぉ~! きょうはおにごっこやるってやくそくしてたからたのしみにしてたんだよっ! …あれ? この人だぁれ?」
全力で志保を出迎えた瑠璃がその隣に立つ人物をぽかんと見上げる。かなりの身長差があるせいで首はほとんど直角状態だ。
「あ…えーとね、今日はおねえちゃんのお友達を連れて来たんだ」
「おともだち?」
「そう。えっと…」
軽く振り返るのとその人物がしゃがみ込んだのはほぼ同時だった。
膝をついてもまだ瑠璃より目線が高いが、見知らぬその人物の行動がまるでこの前読んでもらった絵本に出てくる王子様のようで、瑠璃は子どもながらにぽーっとしている。
「初めまして。霧島隼人と言います。今日は僕も一緒に遊ばせてもらってもいいかな?」
「……おねえちゃんのおともだちなの?」
「そうだよ。よくここに来てるって話を聞いて。いつか僕も連れて来て欲しいってお願いしてたんだ」