いつかあなたに還るまで
そうして迎えた今日、約束通り志保と隼人はここ『陽だまりの里』へとやって来たのだった。
「ほらほらみてぇ~、じょうずでしょ~!」
「わ~、ほんとだ! すごく綺麗に色が塗れてるね!」
「えっへへへ~!」
スケッチブックを片手に瑠璃が得意気に胸を張る。
今日は初めて会う人もいるということでいつも以上にテンションが高めだ。
「じゃあおにごっこにいこうよ!」
「いいよ~。でもるぅちゃん、今日はおむね痛くない?」
「だいじょうぶ! さいきんはすっごくげんきなんだよ~!」
「そっか、よかったね。でも絶対に無理はしちゃだめだよ? 約束だからね?」
「うん、やくそくっ!」
いつもの指切りげんまんをすると瑠璃は鬼ごっこをするメンバーに声をかけて先に中庭へと飛び出して行く。
「…るぅちゃん、心臓がちょっと弱いんです。だからあまり無理をさせちゃだめなんですよね」
「そうなんですか…でもあんなに嬉しそうな顔を見せられると複雑ですね」
「本当に。好きなだけ思いっきり走らせてあげたいと思うんですけど…。だから出来るときには最大限楽しもうねっていつも話すんです」
「…そうですね。じゃあ僕も頑張ろうかな」
「えっ?」
「さ、行きましょうか」
「は、はい」