いつかあなたに還るまで

「いつもじゃ絶対ありえないことも、志保さんとなら楽しそうだなと思ったんです」
「…っ」

熱い…
この熱は運動をしたからだ。うん、そうだ。
決して彼が原因なんかじゃ…

「顔赤いですよ?」
「 !! 」

頬を抑えて横を向けば何故かやけに楽しそうな顔をしていて。

「~~~~もうっ! 近頃の隼人さんいじわるですよっ!!」
「あははっ、すみません。反応が可愛らしくて、つい」
「最初の頃と別人みたいです!」

咄嗟に出た一言にあははと笑っていた声がピタリと止んだ。
何か地雷でも踏んでしまったのかとヒヤリと背中が冷たくなる。

「あ…ごめんなさい、決して悪い意味じゃなくて…」
「…あ、いえ、すみません。こちらこそそういうつもりじゃなくて…」

何とも微妙な沈黙が二人の間を吹き抜ける。

「……変わりましたか?」

「え?」
「志保さんと出会った頃と…私は変わって見えますか?」

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