いつかあなたに還るまで
子どもの純粋な心がこれだけの凶器になるだなんて知りもしなかった。
あまりにも純粋で。無垢で。
自分とは対極にいるその存在が、己の醜さをこれでもかと思い知らせる。
お前はこんな子どもですら欺いているのだと。
一体どこまで堕ちていけば気が済むのだと。
遙か昔、自分にも同じような純粋な心があったはずなのに。
一体いつからそれを見失ってしまったのか。
もう二度と取り戻すことのない、その心を____
瑠璃は気付いていなかったが、やっとのことで返した隼人のぎこちない作り笑いを、志保が遠くから静かに見つめていた。