いつかあなたに還るまで
「そんな…こんな雨の中一体どこに…」
ただでさえ瑠璃は生まれつき心臓が弱いのだ。
無理をすれば最悪命に関わってしまう可能性だってある。
一刻も早く見つけ出さなければ。
「私も一緒にお手伝いします! この辺りは全て探したんですか?」
「心当たりのある場所は全て行ったつもりなのだけど…」
「るぅちゃんのお母さんは…?」
その問いかけにも職員の表情は晴れない。
「何も心当たりがないって。きちんと管理してないこちらが悪いのだから責任を持って探すように言われたわ」
「そんな…」
「そこはその通りだからいいのよ。明らかにこちらの落ち度なんだから」
「でも…!」
今気に掛けるべきなのはそんなことじゃないのに。
何よりも、瑠璃の無事を確認する以外に大事なことなどないというのに。
いくら相手に落ち度があったとしても、自分の娘がいなくなったと聞いてそれを人任せにするだなんて___
そもそも何故瑠璃は飛び出したりなどしたのか。