いつかあなたに還るまで





「るうちゃーーーーーんっ!!!!」

「るうちゃーーーん!!!」


探し回ること一時間。未だ瑠璃は見つからない。
荒天のせいで薄暗かった空は間もなく本当の夜を迎えようとしている。

走り回る2人は既にずぶ濡れで、こんな中小さな瑠璃も孤独と寒さに震えているかと思うといてもたってもいられない。
このまま完全に夜となってしまっては本当に危険だ。


お願いだから無事でいて____


「これだけ探してもいないなんて…一体どこに…」
「母親のところに向かおうとして迷子になったってことか…?」
「……」

おそらくその可能性が高いのだろう。
何があったかなどわからない。けれど、状況から判断するに、母親と過ごす時間の中で瑠璃を衝動的に動かす何かがあった。

そしてそれはきっと彼女にとっては決して喜ばしいことではない。
だからこそ、不安に駆られた瑠璃は母親を求めて施設を飛び出した。


あの小さな体で、一体どんな気持ちを抱えて____


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