いつかあなたに還るまで

「るぅちゃんっ!!!」

すぐに志保のもとへと走ると、ドーム上の遊具の中で小さな体を更に小さく丸めて横たわる瑠璃を見つけた。暗い中でも顔が紅潮しているのがわかる。触れた体は燃えるように熱かった。

「るぅちゃん! るぅちゃんっ! しっかりしてっ!!!」
「待て! あまり揺らさない方がいい!」

悲痛な声を上げながら必死に瑠璃を揺り起こそうとする志保を留めると、隼人はぐったりと力の入らない小さな体を抱き上げた。

「とにかく今は病院に急ごう!」
「っ、はいっ…!」
「るぅちゃん、大丈夫だからな! 今すぐ楽になるからな!」

必死に声をかける隼人の姿にぶわりと涙が込み上げる。

だが自分が泣いてなんかいられない。
こんなときこそしっかりしなくてどうするのだ。

「るぅちゃん、もう大丈夫だからね! すぐに楽になるからね!!」

「…う…」

「るぅちゃん?! るぅちゃんっ!!」

声に反応したのか、瑠璃がうっすらと目を開く。
思わず両手を握って名を呼ぶが、意識が混濁しているのか焦点が合わず、何度も目を閉じては開くを繰り返している。



「ま、ま…」



だが不明瞭な中で、ただ一つだけ聞き間違えることのない言葉があった。

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