いつかあなたに還るまで

「自分でもどうしてそう思うのかわからない。でもこうして知りたいと思った相手は初めてだから、自分のその直感に従ってみようと思うの。もちろん不必要に踏み込むことはしないわ」

そう言った志保の目はいつになく強い意志を示していた。

「そうですか…。志保様がご自分で決められたことなら私は何も言いません。…ただし、客観的に見てこれはよろしくないと判断せざるを得ないようなことがあった場合には私も遠慮なく反対させてもらいます。よろしいですか?」

宮間の言葉に志保はすぐに大きく頷く。

「もちろんだわ。宮間以上に私が信頼を置いている相手なんていないんだもの」

そう言って笑う志保の姿に、ようやく宮間も安心したように微笑んだ。

「志保様が初めて自分から知りたいと思った男性ですから、ご自分の意思のままにされるのが一番だと思います。私は志保様の一番の理解者でありたいと常に思っていますから。でも志保様が万が一傷つけられるようなことがあったときには…私は容赦致しませんので」
「ふふふっ、そう言ってくれる宮間がいるからこそ私も前向きになれるのよ。ありがとう」
「とんでもない。当然のことを言ったまでです」

互いに顔を合わせるとふふっと笑い合った。

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