いつかあなたに還るまで
中でも子ども達と過ごせた時間は何よりの宝物。
はじめは言葉の壁もあってぎこちなさもあったけれど、人と心を通わせるのに言葉なんて必要ないんだと身をもって知った。
小さな子ども達の笑顔を見ていて辛くなったことがないと言ったら嘘になる。
いつだって自分の心の中で生きている大切な、大切な存在。
ふと思い出しては涙を流したことも一度や二度じゃない。
けれど、そんなときに支えてくれたのは他でもない子ども達。
自分達だって泣きたくなることはたくさんあるだろうに、元気がないときや疲れているとき。いつだって敏感に変化を察知して、力を与えてくれた。
強さをくれた。
「みんな、本当にありがとう…。絶対に、絶対にまた会おうね!」
両手いっぱいの花束と子ども達からの贈り物に、志保は大粒の涙を流しながら笑顔の花を咲かせた。