いつかあなたに還るまで

生まれて初めての「愛してる」は、酷く不格好でみっともないものだったに違いない。
だからこそより一層、愛おしく思えた。
これからはどんな自分もさらけ出して、どんなあなたでも受け止めていきたいから。

これは、そのための新たな第一歩なのだと。



「志保…苦しみ、悩んできた俺たちだからこそ、これからは大丈夫だと胸を張って言える。どんな困難でも、志保と一緒なら乗り越えられる。必ず幸せにしてみせる。…だから、二人で幸せになろう」

「っ…は、いっ……はいっ…!」



____寂しかった。
本当は、会いたくて会いたくてたまらなかった。
恋しくてたまらなかった。

何度あなたの元へ帰ろうと思っただろう。
それでも、頑なな自分はそれを直視しようとせず、本当の自分を奥底に封印して、自分で自分を誤魔化しながら必死に生きてきた。


本当に欲しかったものは、ただ一つだけだったのに。



「 愛してる。もう絶対に離さない____ 」



魔法のような言葉は甘く、切なく溶けていく。


私ももう二度と離れたりなんかしない。
この命が尽きるまで。
たとえ命尽きようとも、魂は永遠にあなたと共に____


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