いつかあなたに還るまで

「みやま、みやまっ…!」

泣きながら飛び込んできた志保を宮間が笑って受け止める。

「お二人なら素敵な家族になれます。お子様がいてもいなくても、いつだって笑顔の絶えない温かい家庭になります。そんな志保様の輝きに溢れたこれからの人生を、陰からそっと見守らせてくださいね」
「ひっ…う、ん…うんっ…!」

震える背中にそっと手を回すと、いつの間にこんなに大きくなっていたのだろうと驚く。うんと小さかったはずの少女は、気がつけば自分と全く変わらないほどにまで成長していた。

それでも、いつまでも大事な大事な存在であることに変わりはない。
時に妹として、時に娘として。
血の繋がりはなくとも、永遠に切れることのない大切な絆で結ばれている。

「本当に、会長の人を見抜く力には頭が上がりません。おかげで私も今こんなに幸せなんですから」

あの時彼に拾われていなければ今自分はどうしていたのか。
…きっと病に伏し、既にこの世にはいないだろう。

「…だめよ」
「…え?」
「幸せなんて言っちゃだめ」
「…えっ?!」

まさかのダメ宣言に宮間にしては珍しく声が裏返った。
泣いていたはずの志保は何故かジト目で睨んでいる始末。
一体何故?!

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