いつかあなたに還るまで

五年の年月を経て再会を果たした子ども達は皆、想像した以上に大きくなっていた。瑠璃はその最たるもので、一際小さかった体が今では嘘のように大きくなっている。そして心もすっかり「おねえさん」だ。

「…隼人お兄ちゃんと約束してたから」
「え?」

今一度鏡を見ていた志保に、瑠璃がぽりぽりと頬を掻きながら笑っている。

「おにいちゃんが来ると、志保おねえちゃんに会いたいっていっつも私がめそめそしちゃって。その度にいっつも言われてたの。自分とおねえちゃんはいつか必ず結婚する。だから、その時は綺麗な花嫁さんになれるように何かお願いしてもいいかな?って」
「えっ…」
「それでずーっと自分には何ができるんだろうって考えて。そしたら私ちっちゃい頃から花で遊ぶのが好きだったでしょう? 体も弱かったし。だから花嫁さんがつける花冠ならどうかなって。先生にお願いして色々調べてもらって、必死に練習してたの」

試作品も数え切れないくらいに被ったよね~!という声にも、瑠璃は楽しそうだ。

「志保おねえちゃんが私の作った冠で幸せになってくれたらいいなって、ずっとそう思ってた」
「るぅちゃん…」

だめだ…これで泣いちゃダメなんてどんな拷問だというのか。

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