いつかあなたに還るまで
「……………」
いつの間にか全身に力が入り、ギュッと目を閉じて身構えていた。
そのことに志保自身全く気付いてはいない。
だがいつまで経っても何の変化も起こらないことにようやく気付くと、一体どうしたのかとゆっくりと瞼が持ち上がっていく。
「……え?」
ぱちぱちと目を瞬かせる志保の視界に映ったもの。
それは先程と全く変わらない状態でじっと自分を見つめる隼人の姿だった。
顔を挟むようにベッドに手をつき、ほんの少し動けば唇が触れ合うほどの距離でただ黙って自分を見ている。
「…隼人、さん…?」
何も答えないまま右手を伸ばすと、隼人は状況が全く掴めず不安げに瞳を泳がせる志保の頬を再び撫でた。優しく撫で続けるうちに、強ばっていた志保の体から少しずつ力が抜けていく。
だがその瞳は尚も戸惑いを滲ませたままだ。
「……志保。志保は一人じゃないんだってことを忘れないで」
「…え?」
それはまるで謎解きのようで。
「俺はどんなときでも志保の傍にいるから」
けれど続けられた言葉にハッと隼人を仰ぎ見た。
まさ、か____