いつかあなたに還るまで
「いえ…モニターを見たらあなたが映っていたので…驚きました…」
「そうですよね…ほんとにごめんなさいっ! どうしても気になって、申し訳ないとは思ったんですけど、宮間にこの場所を教えてもらって…」
尻すぼみに声が小さくなっていく。
隼人の顔色は目に見えて悪く、やはり相当具合が悪いのだろうことがわかる。本当ならずっと寝ていたかっただろうに、訪問者が自分だったことでやむを得ずここまで出てきたのだと思うと、途端に後悔の念が襲ってくる。
しかも本人の承諾もなく住んでいる場所を聞き出して押しかけるだなんて…一歩間違えればストーカーと同じだ。
恥ずかしいやら情けないやらで今すぐにでもここから立ち去りたい。
「ほんとにほんとにごめんなさいっ! …あの、迷惑をかけておきながらこんなこと言うのもあれなんですけど…せめてこれだけでも受け取ってもらえませんか? 変なものは入っていないので」
「え?」
「本当にごめんなさいっ!!」
「えっ、あっ、ちょっ…志保さんっ?!」
戸惑う隼人にぶら下げていた袋を押しつけると、ガバッと頭を下げて志保はその場から駆け出した。だが直後にガタン! と響いた音にハッと足を止めて振り返る。