太陽のかけら
「さくらちゃん送るよ!乗っていきなよ!」


その客は車にあたしを乗せようとした。



「えっ、いいよ!あたしタクで帰るし!」



「いーじゃん、心配だし俺送る!」



(心配って…。お前はあたしの何だよ…。)



こういう時の上手い断り方が思いつかない。
あたしは自分の口下手さを恨んだ。


渋々車に乗り、家近くで止めてもらう。



「ありがと、じゃあまたお店で待ってるね!」



ドアを開けようとしたあたしの手を客の男は掴んだ。



「何!?」




嫌な予感がしたその直後、男はあたしの口にに無理やり自分の唇を押し付けてきた。



「へへ。さくらちゃんとキスしちゃった♪」



あたしは勢いよく車のドアを開け、走って家に帰った。
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