太陽のかけら
「さくら、こっちこっち」




学校帰りに寄るいつものカフェで、笑顔で手を振る舞子を見つけた。




「授業あったんじゃない?ごめんね。」




「今日は午前中だけだから大丈夫。それよりどうしたの?」




店員にアイスティーを注文し、メニューをうちわ代わりにして顔を扇ぐ。




「祐介の事なんだけどさ…あたし、好きになっちゃったみたいなんだよね…。」




「だから言ったじゃん。あたしは分かってたんだから。」




別に驚きもしない舞子を見て、急に恥ずかしくなる。




祐介の話をすると、何故か暑くなる。クーラーの訊いているカフェで、あたしはメニューを扇ぐ手を止められないでいる。
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