太陽のかけら
再び目を覚ますともう辺りは明るかった。

閉め切ったカーテンから薄い光が洩れている。




「さくらおはよう。」




祐介が朝のニュース番組を見ながら言った。
まだあたしを気にしているのか、いつものようなおどけた様子はない。




「おはよう!」




あたしは最高の笑顔で返事をした。
祐介の顔にも笑顔がこぼれる。




「ね、祐介って彼女いるんだね。昨日見ちゃった、一緒に居るとこ。」




何の前触れもなく、いきなり切り出したあたしに祐介の笑顔が一瞬で消えた。



全力で否定する祐介の顔が頭に浮かんだ。
否定したってあたしは信じないからね。
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