太陽のかけら
「あ、俺送ってくよ」



あたしにそう言ったのは誠。



「いーよ近いし!」


「まあまあ照れんなよー、車乗れって」



誠に送ってもらい家の前に着いた。



「…さくら…」



真面目な顔をした誠が言った。なんかあたしの苦手な空気。



「その…悪かったな、連絡しないで。」



「…なによ今更!気にしてないしあたしも悪かったし!過去は気にしない!今日は楽しかったよじゃあね!」



あたしは満面の笑みで車のドアを閉めた。

誠も少しは気にしてたんだ。




遠ざかっていく誠の車をあたしは少しのあいだ眺めていた。



風が冷たくて気持ちいい。
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