今日も、私は、なく、【完】
少しだけ抵抗してみたけれど、あたしの肌の上を激しく動く一宮さんの舌に力を抜かれ、まあいっか、と諦めた。
彼の動きいちいちに、あたしの体は敏感に反応して、か細い鳴き声を上げる。
――今日も、私は、彼に啼かせられる。
甘い、甘い、特別な声で。
「――一宮さん」
行為が終わった後、あたしの横で気持ちよさそうに無防備な寝姿を晒す彼は、んーっと意識のない声を出した。
どうしてそんなに油断できるのだろうか。
貴方の横には、貴方が抱いた、あたしを愛してくれない貴方を愛しているあたしがいるのに。
何度、その筋肉質な胸板にナイフを突き立ててやろうと思ったことか。太い首を、この手で絞め殺してやろうと思ったことか。
あたしのものにならないなら、いっそ……と。
いつも、いつも、考えていた。