音楽が聴こえる
「ん、まぁな。俺が高校ん時からの……」


時からの?


俺達の興味を引っ張るように悟さんは言葉を切った。

椅子に寄っ掛かり、煙を上方向に吐く。

「ま……その話しは良くねぇ? 何か言うと多分、俺の寿命また縮むわ」

山路は落とされた芸人みてぇ大袈裟に、俺の隣りで滑った。

その様子を見て、悟さんは小さく笑う。

「んだよ。お前等、何で身ぃ乗り出して聞いてんの。『地味先』なんだろ?」

「それが今、眼鏡無しじゃないっすか。うちの男共はギャップ萌えしてるんすよ」

山路が熱く語るもんだから悟さんは、マジで?って顔をして、謙二を見た。

謙二が小さく頷くと、悟さんは溜息付いて「やっぱ要るんか」と呻くように呟いた。

「でもまあ、血気盛んな野郎共だもんな、高校生なんて。……なあ、ジュン君よ」

へ。……何で俺に振るんだよ? 悟さん。

俺、まだ香田に何もしてねぇし。
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