音楽が聴こえる
11.酔う女
side 茉奈
◇◇◇
「茉奈ちゃんさ、あれから……なかやんと一緒にいるの?」
再会の乾杯早々、佐由美さんに切り出され、あたしは彼女の顔を凝視した。
その顔には、好奇心とは別の何かが浮かんでるように見えて戸惑いを覚える。
ただの興味なら、交わすことも出来るんだけど。
悟やSPLASHの面々と『ブルーバード』で別れた後、あたしは佐由美さんに半ば強引にランチもやっている居酒屋へ連れて来られた。
佐由美さんは、まるで先週もこうして遊んでいたかのように自然に振る舞うけれど、実に三年振りの顔合わせで。
他愛もない話しをしながら歩く佐由美さんに、懐かしさと微かな息苦しさを感じるのは、年を取ったせいなのかな。
あたし達はあの頃、同じ時間を過ごした。
『infinity』を介して。
初めて会った時も既に彼女は、ダイちゃんの彼女だった。
ドラムのダイちゃん、ベースの尚人、キダーの悟。そしてヴォーカルのシュウ。
「茉奈ちゃんさ、あれから……なかやんと一緒にいるの?」
再会の乾杯早々、佐由美さんに切り出され、あたしは彼女の顔を凝視した。
その顔には、好奇心とは別の何かが浮かんでるように見えて戸惑いを覚える。
ただの興味なら、交わすことも出来るんだけど。
悟やSPLASHの面々と『ブルーバード』で別れた後、あたしは佐由美さんに半ば強引にランチもやっている居酒屋へ連れて来られた。
佐由美さんは、まるで先週もこうして遊んでいたかのように自然に振る舞うけれど、実に三年振りの顔合わせで。
他愛もない話しをしながら歩く佐由美さんに、懐かしさと微かな息苦しさを感じるのは、年を取ったせいなのかな。
あたし達はあの頃、同じ時間を過ごした。
『infinity』を介して。
初めて会った時も既に彼女は、ダイちゃんの彼女だった。
ドラムのダイちゃん、ベースの尚人、キダーの悟。そしてヴォーカルのシュウ。