音楽が聴こえる
side ジュン
◆◆◆
昼飯を奢ってくれた悟さんは、食後のアイスコーヒーを飲みながら、馴染みの貸しスタジオへ連絡を入れてくれた。
『ブルーバード』の最寄り駅から電車で二十分程の場所だ。
聞けば悟さんも世話になっていたスタジオらしい。
キャンセル分を格安で使わせてくれると言う話しに、俺らは喜んで乗っかった。
スタジオでは、謙二の頭の中で変更されたコード進行を、音にして形にする作業を繰り返す。
俺達の音を重ね合わせて行く。
今までとは違った、ノリだけじゃねぇ吟味した音作り。
よく分かんねぇ充足感に自分の中で何かが、沸き立つ。
歌うことはいつだって楽しいーけど。
けど、今、それ以上のパワーを感じる。
例えば、霧の中にいた視界が突然開けてクリアになって、光が差すような。
俺達、形になりそうだ。
「やれるね、俺達」
謙二は顔を綻ばせて、ぐるっと俺らを見渡した。
昼飯を奢ってくれた悟さんは、食後のアイスコーヒーを飲みながら、馴染みの貸しスタジオへ連絡を入れてくれた。
『ブルーバード』の最寄り駅から電車で二十分程の場所だ。
聞けば悟さんも世話になっていたスタジオらしい。
キャンセル分を格安で使わせてくれると言う話しに、俺らは喜んで乗っかった。
スタジオでは、謙二の頭の中で変更されたコード進行を、音にして形にする作業を繰り返す。
俺達の音を重ね合わせて行く。
今までとは違った、ノリだけじゃねぇ吟味した音作り。
よく分かんねぇ充足感に自分の中で何かが、沸き立つ。
歌うことはいつだって楽しいーけど。
けど、今、それ以上のパワーを感じる。
例えば、霧の中にいた視界が突然開けてクリアになって、光が差すような。
俺達、形になりそうだ。
「やれるね、俺達」
謙二は顔を綻ばせて、ぐるっと俺らを見渡した。