音楽が聴こえる
ーーー
「早見先生、私、そろそろ部に顔を出して来たいので」
早見先生が放課後、前年度の陵北祭2の資料を伴い、国語の教務室までやって来た。
彼はヤル気満々らしく、まだ良く分かっていない私に、一通り説明してくれた。
そして、私達が決めなくてはならないこと、生徒に任せるべきことを丁寧にレクチャーされる。
「……何か、体育館の時間割りだけ気にしてれば良いだけじゃないんですね」
早見先生には、面倒臭い、と心のなかで呟いたあたしの声が聞こえたようだ。
クスリと笑われてしまった。
「……眼鏡また掛けてるんですね」
突然、何を言い出すのか、早見先生は私の眼鏡を指差した。
新しい眼鏡は、この間の日曜日に買ったものだ。
確かに弁償してとは言ったけど、まさか、朝の弱い悟に朝イチで起こされ、買いに行くことになるとは思わなかった。
悟は玄関を開けた二日酔い気味の私に『ひでー顔』と言って、いつものように笑ったっきり。
……何も聞かれなかった。
「早見先生、私、そろそろ部に顔を出して来たいので」
早見先生が放課後、前年度の陵北祭2の資料を伴い、国語の教務室までやって来た。
彼はヤル気満々らしく、まだ良く分かっていない私に、一通り説明してくれた。
そして、私達が決めなくてはならないこと、生徒に任せるべきことを丁寧にレクチャーされる。
「……何か、体育館の時間割りだけ気にしてれば良いだけじゃないんですね」
早見先生には、面倒臭い、と心のなかで呟いたあたしの声が聞こえたようだ。
クスリと笑われてしまった。
「……眼鏡また掛けてるんですね」
突然、何を言い出すのか、早見先生は私の眼鏡を指差した。
新しい眼鏡は、この間の日曜日に買ったものだ。
確かに弁償してとは言ったけど、まさか、朝の弱い悟に朝イチで起こされ、買いに行くことになるとは思わなかった。
悟は玄関を開けた二日酔い気味の私に『ひでー顔』と言って、いつものように笑ったっきり。
……何も聞かれなかった。