音楽が聴こえる
「ス、スタミナかぁ」と斗夢は呟き、山路の頭をベシベシ叩いた。

殴られた山路は文句を言いながら、応戦している。じゃれ合いが面倒臭え奴等。


「……明日来てくれますよね?」

謙二は確認するように香田へ問う。

「君達は昼まででも、私は1日拘束なんだけど」

「うわっ、香田ちゃん冷たっ」

じゃれてた山路が首を曲げて、香田にすがるような視線を送った。

「冷たいっ……てねぇ」

香田は視線を泳がせる。
案外押しに弱いのか?

「良いじゃん。別にオーディションに同伴しろっつってる訳じゃねーし」

俺も皆に便乗してやった。

「私が行くと見回りと思われるから面倒」

まあ前も、浮いてたよな。その真面目ちゃんスーツ。

ある意味目立ってたけどよ。

「この間みたいなので来ればいいんじゃね?」

「イチイチ着替えるのも面倒」

「んじゃ、学校に普通の服、着て来れば?」

「これも普通の服なんだけど。君達に制服があるみたいに、これが私の制服なの。…………まぁ、いいや」

どう良くなったのか、全然分かんねぇし。
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