音楽が聴こえる
『あれ「infinity」のシュウじゃないっ?』
『キャーウソーッ』
『ホンモノかよー?!』
『人違いじゃないのー?』
それは、あたしの腕を引っ張り前を歩く男に向けられたモノ。
シュウは近付いて来ようとする客達を既のところでかわし、スタッフオンリーと書いた扉へ飛び込んだ。
「ふぅ……間一髪。面倒なことになるところだった」
後ろを振り向き、口の端を上げる。
その態度が自然過ぎて、逆に不自然に感じてしまうのは、あたしが捨てられた側の人間だから?
「……何しに来たの?」
シュウの瞳が隠れたままなのを良いことに、気が付くとあたしは、そう口走っていた。
それでも彼は臆することもなく言い放つ。
「マアコに会いに来た、それだけ。少しつき合ってよ」
「……こんなところ彷徨いてて良いの? 入院したんでしょ? 佐由美さんから聞いたよ」
あたしがさりげなく掴まれている腕をほどこうとしても、彼はビクともしない。
『キャーウソーッ』
『ホンモノかよー?!』
『人違いじゃないのー?』
それは、あたしの腕を引っ張り前を歩く男に向けられたモノ。
シュウは近付いて来ようとする客達を既のところでかわし、スタッフオンリーと書いた扉へ飛び込んだ。
「ふぅ……間一髪。面倒なことになるところだった」
後ろを振り向き、口の端を上げる。
その態度が自然過ぎて、逆に不自然に感じてしまうのは、あたしが捨てられた側の人間だから?
「……何しに来たの?」
シュウの瞳が隠れたままなのを良いことに、気が付くとあたしは、そう口走っていた。
それでも彼は臆することもなく言い放つ。
「マアコに会いに来た、それだけ。少しつき合ってよ」
「……こんなところ彷徨いてて良いの? 入院したんでしょ? 佐由美さんから聞いたよ」
あたしがさりげなく掴まれている腕をほどこうとしても、彼はビクともしない。