音楽が聴こえる
悟……か。
シュウは常に、悟に対するライバル意識を持っていたような気がする。
でもそれは、音楽の拘りや譲れない部分があるからこそだと思っていた。
だから悟もシュウの高飛車な部分を上手くあしらっていたし、仲間のスタンスを持ち続けてたんじゃないの?
……聞けないけど。
心の疑問をまた飲み込んでしまった。
「何だよ。ヒトんち来てだんまりか?」
悟は口の端に煙草を銜えて火を付けた。
あ。
そう言えば、シュウは煙草吸ってなかったな。
ドクターストップがかかったままなのか、それとも漸く禁煙したか。
「おいっ」
ボンヤリ思い返しているとお尻にガンッと振動が響いた。
ダイニングテーブルの向い側から伸びた悟の足が、椅子を蹴ったらしい。
「あ、何」
「『何』じゃねぇっての。……お前何しに来た訳?」
らしくない棘っぽい言い方に、悟の顔を見た。
シュウは常に、悟に対するライバル意識を持っていたような気がする。
でもそれは、音楽の拘りや譲れない部分があるからこそだと思っていた。
だから悟もシュウの高飛車な部分を上手くあしらっていたし、仲間のスタンスを持ち続けてたんじゃないの?
……聞けないけど。
心の疑問をまた飲み込んでしまった。
「何だよ。ヒトんち来てだんまりか?」
悟は口の端に煙草を銜えて火を付けた。
あ。
そう言えば、シュウは煙草吸ってなかったな。
ドクターストップがかかったままなのか、それとも漸く禁煙したか。
「おいっ」
ボンヤリ思い返しているとお尻にガンッと振動が響いた。
ダイニングテーブルの向い側から伸びた悟の足が、椅子を蹴ったらしい。
「あ、何」
「『何』じゃねぇっての。……お前何しに来た訳?」
らしくない棘っぽい言い方に、悟の顔を見た。