音楽が聴こえる
ホントにクソッ。

ムカついた分だけ、恨み言のメールでもしてやろうか。

―― ちゃんと見てくれって言ったのに、いなくなるっつーのは、どうなってんだよ。折角練習したのに、アドバイスとかする気無い訳? 『infinity』のシュウじゃ、俺達勝ち目も無いけどさ。すんげぇガッカリ。



コレじゃ、思いっ切り構ってちゃんメールじゃねぇの、俺。

腹立たしさを文章にしてみると、自分の女々しさも嫌になって首を垂れた。

送信と破棄のどちらを押そうか一瞬考えてから、送っちまえっ、と片目を瞑って送信を選んだ。

知らないうちに息を詰めてたみたいで、大きな息を吐いた。


格好悪りぃ。……なんつーか。
色んな意味でガッカリした。
一昨日あんなに憤ったのは俺のくだらない感傷とか、今まで蓋をしていたガキみたいな感情が呼び覚まされたからだ。

でも、直ぐにメールの受信をバイブ機能が教えて来たもんだから、俺は手の中のスマホを慌てて握り直した。

わ、香田だ。

―― 何で今メールしてくるのですか。授業時間だと思いますが。

真面目かよっ。
メールの内容ではなく、今メールを送ったことに対しての問いに苛つきが増した。

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