音楽が聴こえる
「……センセーこそ、教務室?」

『当たり前。でなければ、電話出来ないでしょう。君は授業出ないで何してるの』

「心配してくれんだ」

『……まぁ…ネットでどうのとか。他の先生から朝に聞いたから』

「あぁ。……俺は痛くも痒くもねぇけど、センセーは? 何か適当なこと書かれてたじゃん」

香田は溜息交じりに笑った。

『あたしは、良いのよ。あんなの書きたい奴はどこにでもいるし、イチイチ気にするほど神経細くないし』

何、コイツって。
香田って……格好良過ぎ。

「……センセ―って思ってたより男前だな」

『男前って何』

「や、言葉通り」

電話の向こう側で絶句する香田を感じて、俺の心臓がやっと普通に機能した気がする。

『……そうだ、言いたかったのはね』

「あ~授業出ろってんだろ?」

『それは当然です。……でもそれとは別にね。この間。……途中で抜けたのは悪かったとは思うけど、全然聞いてなかった訳じゃないから』
< 190 / 195 >

この作品をシェア

pagetop