音楽が聴こえる
梨花が他の男と寝てる痕を付けてたって、俺ん中じゃ火が付くどころか冷めた気分が加速していくだけ。

「エー? もう帰っちゃうの?」

ベッドの上で上目使いに俺を見る。

梨花はたわわに実ったおっぱいを隠したりはしねー。こいつにとって、武器みたいなもんだから。

昔、歳の離れた従兄のうちで見た、愛蔵版ロボットアニメのDVDを思い出すよな。

おっぱいからミサイル出て来るヤツ。

イヤライような、笑えるような。


俺はくだらない思考の中、さっさとボクサーパンツを履いて、よれた制服のワイシャツに袖を通した。


「今日のジュンヤ、冷たくない?」

「……変わんねーよ」

「嘘。ねぇ、もっと一緒にいようよ」

「……俺、独占欲とかそう言うの無いから、良いんだけどよ。腿の内側喰ったのは俺じゃねぇからな」

俺の言葉に梨花は目を丸くして、自分の股の間を覗いた。

「え、ホント?あれ、やだぁ。……この間、ジュンヤ達のライヴ見に行った後、大学生にナンパされちゃったの」
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