音楽が聴こえる
何てことないって口調に俺は苦笑を漏らす。
梨花には、飯を食うのもカラオケに行くのもセックスするのも同じレベル。
そのことに何の感情も湧かない俺も、多分イケてねぇ。
「んじゃあな」
俺は自分勝手に梨花の家を出た。
外はオレンジ色をしていて、もうすぐ日が暮れる。
最寄りの駅までの道すがら、溜息交じりにスマートフォンをチェックした。
もうここを通ることもねぇな、なんて思いながら。
俺も梨花と大して変わんねぇ。
大事なものなんて何も持って無い。
……歌以外は。
何通か来ているメールの中に謙二の名前を見付け、スマホを動かす指が止まった。
『香田先生に、了承して貰った。単細胞生物は死んでくれ』
ゔ。単細胞生物って、俺のことか?
地味先のヤツ、謙二に俺が途中でキレたこと話したのかよ。
……俺の時は知らん顔して、何で謙二でOKなんだよ。
何か知んないけど、やっぱムカツク……。
梨花には、飯を食うのもカラオケに行くのもセックスするのも同じレベル。
そのことに何の感情も湧かない俺も、多分イケてねぇ。
「んじゃあな」
俺は自分勝手に梨花の家を出た。
外はオレンジ色をしていて、もうすぐ日が暮れる。
最寄りの駅までの道すがら、溜息交じりにスマートフォンをチェックした。
もうここを通ることもねぇな、なんて思いながら。
俺も梨花と大して変わんねぇ。
大事なものなんて何も持って無い。
……歌以外は。
何通か来ているメールの中に謙二の名前を見付け、スマホを動かす指が止まった。
『香田先生に、了承して貰った。単細胞生物は死んでくれ』
ゔ。単細胞生物って、俺のことか?
地味先のヤツ、謙二に俺が途中でキレたこと話したのかよ。
……俺の時は知らん顔して、何で謙二でOKなんだよ。
何か知んないけど、やっぱムカツク……。