音楽が聴こえる
『フン。昨日とは随分違うじゃねえ? あんなに突っ掛かって来たのに』

「頭固いんでしょ? あたし。それでもあたしにまで日程のメール寄越したのは、何か動けってことじゃないの?」

『……考え過ぎ。ま、良いけどよ。明後日、ちゃんとお前が起こしてくれりゃ、問題ねえ。……だろ?』

悟が艶っぽい囁きを漏らした。

「……了解。それじゃ」

あたしが悟の振り撒く色気は無視して、話しを終わらそうとすると。

『あ、待った。お前の眼鏡だけど……あんなところに落ちてっから踏みつけちまったぜ』

投げたのあんたじゃん。

「えーっ!! 洒落になんないっ」

『明後日、買ってやるよ。ブラと合わせて』

ゲラゲラ笑う悟にムカついて、通話終了のボタンを迷わず押した。



「……じゃ、そういうことで、良いかな? 高城君」

高城はペコリと頭を下げた。
でもその顔は、またもや笑っていた。
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