音楽が聴こえる
昨日、練習が終わる30分前になっても、香田は現れなかった。
俺的には詫びは入れたつもりだし、避けられる覚えはねぇし。……まさか、クリーム舐めたくらいじゃ怒らねぇよなぁ?
結局、気にしてんのは俺の方か。
練習を終わらせた後「鍵を返しに行くから先に帰って良いよ」と謙二に言われ、待つことも出来ず帰っちまった俺達。
夜になって謙二から俺らへ、ラインが入っていたことに気付く。
『土曜はブルーバードで練習。9時時間厳守』と書いてはあったが、今度はリアクションに困った。
確実に香田が関係してる、予感。
三時限目の体育の時間、ようやく話しの流れで謙二に切り出してみるも、のらりくらりとかわされた。
謙二が話さないと決めてんのなら、絶対口を割らねーだろうし、俺のモヤッとした腹の中は結局そのまんまだった。
体育が終わった後、更衣室で着替えてから教室へ戻る途中、謙二と俺はジュースを買いに一階の自販機に立ち寄った。
そんな時、梨花の奇襲を受けた。