音楽が聴こえる
悟は大きな溜息を付いて、あたしの頬を指先でなぞる。
「ホント可愛いかった」
……しみじみされると微妙に傷付くのは、自覚があるからなのかも。
「年くって可愛い気が無くなってスミマセンね」
あたしが悟の手を弾くと、彼の口元は緩み大きな弧を描いた。
「……変わんねぇよ」
「えっ?」
「昔から堅くなで、くそ真面目で、情に脆い」
「それ……全然誉めてないから。……もう寝よ、朝九時の約束だよ。もう、少ししか寝れないじゃん」
あたしは寝心地の良いポジションを決めるべく、グリグリ枕に顔を埋める。
「あと、そうゆーところ」
「は?」
「すんげえ鈍いところ」
「は?」
悪口か?
「お前、俺のベッドに来てすぐ寝れるとか思ってんのかよ」
悟は女なら誰でも見惚れるんじゃないかってくらいの、なまめかしい笑みを至近距離から投げて来て。
あたしを誘惑した。
「ホント可愛いかった」
……しみじみされると微妙に傷付くのは、自覚があるからなのかも。
「年くって可愛い気が無くなってスミマセンね」
あたしが悟の手を弾くと、彼の口元は緩み大きな弧を描いた。
「……変わんねぇよ」
「えっ?」
「昔から堅くなで、くそ真面目で、情に脆い」
「それ……全然誉めてないから。……もう寝よ、朝九時の約束だよ。もう、少ししか寝れないじゃん」
あたしは寝心地の良いポジションを決めるべく、グリグリ枕に顔を埋める。
「あと、そうゆーところ」
「は?」
「すんげえ鈍いところ」
「は?」
悪口か?
「お前、俺のベッドに来てすぐ寝れるとか思ってんのかよ」
悟は女なら誰でも見惚れるんじゃないかってくらいの、なまめかしい笑みを至近距離から投げて来て。
あたしを誘惑した。