White Magic ~俺様ドクターの魔法~
「瞬さん、私と会うのも無理してた?もっと仕事したかった?」
彼は、ソファにもたれて、私の方を向いて笑いかけてくれた。
「不思議とね、睦美とは会いたいと思った。1秒でもいいから一緒にいたいって・・・・・・。
やっぱり、離れて欲しくなかったから、会わないとって思うのもあったかな?
まぁ、苦ではなかったけど」
「全然わかってない」
本当にわかってないよ。
彼は、私の言葉に目を丸くしていた。
「私は、いくら会いたくても、あなたの仕事の邪魔はしたくない。
あなたがやりたいだけ仕事をして、それで残った時間を私と過ごしてくれたら・・・私のことを考えてくれたら・・・それでいい。
あなたは、ドクターなんだから」
「睦美・・・ありがとう」
今にも泣きだすんじゃないかと思うくらい潤んだ目で見られると、私が悪いことをしたみたい。
「それよりさ、私とそんな自分と患者さんとを比べるような女を一緒にしないでよ!」
頬を膨らませて、彼に背を向けた。部屋の中は、テレビもついていないので、静まり返っている。
ふたりの心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うくらい。