White Magic ~俺様ドクターの魔法~
「じゃぁ、失礼します」
バスから降りると、小走りで瞬さんのマンションへと向かった。
渡された合鍵を鞄から取り出し、ドアを開けると、微かに瞬さんの匂いがして顔が綻ぶ。
早く帰って来ないかな?
私は、夕食を作りながら、部屋の主の帰りを待った。
今日のメニューは、ハンバーグ、かぼちゃのスープ、ポテトサラダ。
ハンバーグのいい匂いが漂ってきた頃に、彼が帰って来た。
「ただいま」
待ち焦がれていた声に反応し、私は玄関まで走って行く。
「おかえりなさい」
この時は、1番の笑顔で迎えてあげたい。
そして、疲れた体を少しでも癒してあげたいんだ。
いつものように向かい合って食事を摂り、少しだけリビングのソファでまったり過ごす。
次の日が仕事の時は、彼が車で送ってくれる。
休日の時は、泊ることもある。
本当は、ずっと一緒にいたい。
なんなら、一緒に暮らしたい。
でも、そんなことをしてしまうと、きっと彼の邪魔をしてしまいそうだから、言わない。