White Magic ~俺様ドクターの魔法~


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彼に会えた翌日は、気持ちがとても軽い。


「ももちゃん、今日はご機嫌やね。いいことあったの?」


なんて高倉主任には、いつもばれる。


他の人にはばれていないということは、私は顔に出ないタイプなのだと思う。


でも、高倉主任は鋭い。



仕事も全てが順調にいくわけではないが、充実していた。


あと1ヶ月で高倉主任は寿退社することになっているので新人さんの指導にも力が入る。



「力が入りすぎても、付いてこれなかったら意味がないから、ほどほどにな」



後輩の指導に悩んでいた時に、瞬さんに相談したら、こんなことを言われた。



なんて、優しいんだろうって目を輝かせて見つめてしまうんだけど、結局最後には、


「1年目だからって関係ない!白衣を着ていたら患者からはみんな1人前の看護師に見えるんやで。新人だからなんて関係ない」

と、付き合う前に言われた言葉が頭をよぎる。



「本音は?」と聞くと、「とっとと仕事しろよ」と答える。



あぁ、やっぱり、俺様ドクターだわ。



あなたみたいなドクターがいるから私が困ってるのよ。


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