White Magic ~俺様ドクターの魔法~
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「日曜日、何時頃行くの?」
仕事が終わり、更衣室で奈緒が聞いてきた。
日曜日は、高倉さんの結婚式。
看護部は、仕事の人以外はほとんど出席することになっている。
私自身、とても楽しみにしている。
「10時半には着いていないといけないから、10時過ぎ?」
私は、頭の中で逆算しながら奈緒に言った。
「じゃぁ、ホテルの下で10時15分に待ち合わせしよう」
「いいよ」
最近、休憩時間や仕事終わりには、この話題で持ちきりだ。
「どんな服着ていく?」
「高倉さんの旦那さん、かっこいいから友達もかっこいいかな?」
なんて友達を狙っている人も多くいるようだ。
そして、いつも最終的には「結婚したいな」におさまる。
「奈緒は、まだしないの?」
奈緒と彼氏の圭君は、高校の時から付き合っているからかれこれ10年くらいになるはず。
「今は、東京にいるから、こっちに戻って来てからかな?」
ニッコリ笑う彼女に「そっか」とだけ言った。
奈緒は、寂しくないんだろうか・・・・・・。
私なら瞬さんに会えなかったら不安だし、何より寂しい。
「ももちゃん、彼氏いるんでしょ?結婚は?」
中川副師長に聞かれて、私は言葉を失ってしまった。
「・・・・・・」
結婚か・・・前に『結婚したいな』と言われた時は、まだ実感が湧かなかったけど・・・・・・今は。
「えっ、ももちゃん、束村くんと結婚するの?」
私が黙っていると、もう一人の副師長である日高さんに言われ、我に返った。
「ち、違います。束ちゃんとはそういう関係じゃないですから!」
きっと勘違いしている人は多いはず。
束ちゃんと私は仲がいいのは確かだから。
それに、最近では瞬さんも束ちゃんと飲みに行ったりしてるので、余計に話す機会が多くなっている。
「え~そうなん?てっきり、束村くんと付き合ってるんかと思った」
何人かがそう言っていたのに対し、私は溜息まじりに「違いますから」と否定した。
そして、私は病院を出て、バス停へと向かう。
今日は、久しぶりに瞬さんの家に向かう。
バスの中で、夕食に何を作るかを考えるだけで、幸せな気持ちになれる。