White Magic ~俺様ドクターの魔法~
Magic18 結婚式
「もも、おはよ~!」
結婚式場の前で私が奈緒を待っていると、スーツ姿の束ちゃんが歩いてきた。
今日は、高倉先輩の結婚式。
「おはよう。束ちゃん、ネクタイ歪んでるし」
慣れていないネクタイをしているせいか、急いできたせいか彼のネクタイはだらしなかった。
「えっ、ほんまに?」
束ちゃんは、入口のガラスに映る自分の姿を見て、ネクタイを直していた。
「御手洗いで直してきたら?」
「あっ、でもなおったし」
とりあえずネクタイを直した束ちゃんは、ふと私の方に視線を向けて口を開いた。
「もも、その服、佐々木先生見た?」
何でいきなりこんなことを言うの?
「見ていないけど、なんで?」
隣りにいる男を若干睨むように聞いた。
「見せたら喜びそう」
「はぁ?何言ってんの?」
「だってさ、なんかいつもと雰囲気違うし!」
そりゃ、いつもと同じ服じゃ来れないでしょ。
髪だってアップにしてるし、服だってドレスだし・・・。
一応メイクも、いつもより気合いを入れてきたし。
これで、いつもと変わらないなんて言われた方がショックやし。
「あっそ」
冷たく返すと、「もも冷たすぎ」と唇を尖らせでいた。
そんな冷めた会話をしていると、奈緒が手を振って小走りでやって来た。
彼女は、ピンクのドレスを着ていた。
よかった、かぶらなくて・・・。
私は、光沢のあるグレーのドレスを着ていたので、安心した。
3人で式場に入ると、受付にはすでに数人の人が集まっていた。