White Magic ~俺様ドクターの魔法~
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「・・・・・・イテテ」
目を覚ますと頭が割れるように痛く、体が表現できないくらいだるかった。
あぁ、昨日は飲み過ぎて、散々、瞬さんの愚痴を言って・・・。
それから・・・?
それから・・・・・・?
どうやって帰ったん?
ってか今何時?
手を伸ばしていつもの場所にある時計を取ろうとしたが、手に取ることができなかった。
私は身をよじって、再び時計を手にしようとしたが、その時目の前に広がっている景色に驚いた。
光が差し込んできている窓には、水色のブラインド、机に上に置かれているノートパソコン、無造作に置かれている雑誌・・・
どれも見たことがない。
そして、私が横になっているのは・・・ベッド。
水色の掛け布団が掛けられている。
・・・・・・どこ?
私が起き上がり、キョロキョロとしていると、向こうの方から声がした。
「はぁ~」
髪をバスタオルで拭きながら登場した男は、ハーフパンツだけを身に着けていた。
えっ・・・・・・?
私は目の前の状況が把握できずに口をぽかんと開けたままだった。
「あっ、起きた?」
私の視線に気付いたのか、その男は私に笑顔を向けた。
いや、起きた?じゃないし!
あんた誰?
ここはどこ?
返事をしない私に、男は近付いてくるのがわかり、私は無意識のうちに後ずさりしていた。
「どうしたん?」
「どうして・・・・・・?」
後ろに下がれなくなった時、その男は「顔色悪いよ?二日酔い?」と聞いてきた。
顔色が悪いのは・・二日酔いが理由でもあるだろうけど、見ず知らずの男の家にいることが、最大の理由だ。
でも、目の前にいる男の顔を見ると、どこかで見たことがあるような気がした。
「どこかでお会いしました?」
かなり意味がわからない質問だ。
ここは、多分この男の部屋だ。私がここにいるということは・・・・・・こういう状況になる前に会っているはずなのだ・・・・・・。