White Magic ~俺様ドクターの魔法~
「なぁ・・・・・・いい?」
何を意味しているのかはわかる。
私は小さく頷いて、彼の胸に頭を寄せた。
その時、「あっ、でも・・・・・・」と躊躇するような声が聞こえたので頭を上げた。
「どうしたの?」
「あれが・・・ない」
あっ、そういうことか・・・・・・。
「・・・・・・」
「今日は我慢する」
「はい」
短い会話を済ますと、私たちは立ちあがって服を整えた。そして、あることを思い出した。
「あっ・・・・・・私、コンビニへ行こうと思ってたんです」
テーブルの上に置いてあるかばんを見て言うと、怪しげな顔をした男は、想定内の言葉を吐いた。
「あれ、買いに行くの?」
「アホ!」
目の前の性欲に乗り移られた男を一瞥すると、かばんを取り、玄関の方へ向かった。
「じゃぁ、俺も行こう」
何のために付いてくるのかは想像できる。
でも言うと、墓穴を掘りそうだから言わないことにした。
マンションを出てすぐのコンビニで、メイク落としなどを買うと、レジで会計を済ませて、コンビニの前で彼を待った。
ドアを開けてこちらにやって来る彼の左には、ビニール袋。中身はわかっているが、絶対に聞かない。