甘いヒミツは恋の罠
「すみません、取り込み中でしたら出直します」
「別に構わない。用件だけ言え」
デスクの書類に目を通しながら朝比奈が言った。
「あの、デザイン用のソフトをお借りしようと思って……うちの店の過去のデザインデータも一緒に入ってるって聞いたので」
「あぁ、あれか。ほら、持ってけ」
デスクの引き出しからケースを取り出すと、紅美の前に投げ出した。
「ふぅん、新人さん? 初めましてフリー宝石バイヤーの宇都宮葵です」
「し、新人……? あの、一応私、入社三年目です。本店は新人かもしれませんけど……」
(それに二回ほど会ってるんだけどな……)
あはは、と力なく笑いながら言うと葵は口に手を当ててわざとらしいリアクションをする。
「別に構わない。用件だけ言え」
デスクの書類に目を通しながら朝比奈が言った。
「あの、デザイン用のソフトをお借りしようと思って……うちの店の過去のデザインデータも一緒に入ってるって聞いたので」
「あぁ、あれか。ほら、持ってけ」
デスクの引き出しからケースを取り出すと、紅美の前に投げ出した。
「ふぅん、新人さん? 初めましてフリー宝石バイヤーの宇都宮葵です」
「し、新人……? あの、一応私、入社三年目です。本店は新人かもしれませんけど……」
(それに二回ほど会ってるんだけどな……)
あはは、と力なく笑いながら言うと葵は口に手を当ててわざとらしいリアクションをする。