甘いヒミツは恋の罠
 ――君のアクセサリーデザインはシンプルだけど、上品で可愛い感じのするものだね。


 ――あ、ありがとうございます!


 ――希望通り、デザイン業界で活躍できることを祈っているよ、頑張ってね。



「ここに瑠夏はいないのか? まったく、最近本店に異動してきたデザイナーを紹介するからって言われて来たんだけど、いないんじゃ意味ないな」


「あ、あの……それって、多分私のことだと思います」


「え? 君がそうだったの? あはは、なんだ、じゃあ瑠夏がいなくてもいいか」


 弟の瑠夏とは違い、その穏やかな人柄に紅美は親近感を覚えた。
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