甘いヒミツは恋の罠
※ ※ ※
鍵を渡された途端、朝比奈は無我夢中で階段を駆け下り、途中で社員にぶつかりながら資料室へ急いだ。
こんなわけのわからない憤りと焦りを感じたのは久しぶりだった。けれど、今はそんな苛立ちの原因を追求している場合ではなかった。
「皆本!」
朝比奈が勢いよく資料室のドアを開けると、すっと冷気が流れ出てきた。空調のない真冬の資料室など、一時間もいられないだろう。そこに紅美が数時間にも渡って閉じ込められていたのかと思うと朝比奈はぞっとした。
「皆本!?」
壁にもたれかかりながらしゃがみこんでぐったりとしている紅美を見つけると、朝比奈は小さく息を呑みこんですぐさま駆け寄った。
鍵を渡された途端、朝比奈は無我夢中で階段を駆け下り、途中で社員にぶつかりながら資料室へ急いだ。
こんなわけのわからない憤りと焦りを感じたのは久しぶりだった。けれど、今はそんな苛立ちの原因を追求している場合ではなかった。
「皆本!」
朝比奈が勢いよく資料室のドアを開けると、すっと冷気が流れ出てきた。空調のない真冬の資料室など、一時間もいられないだろう。そこに紅美が数時間にも渡って閉じ込められていたのかと思うと朝比奈はぞっとした。
「皆本!?」
壁にもたれかかりながらしゃがみこんでぐったりとしている紅美を見つけると、朝比奈は小さく息を呑みこんですぐさま駆け寄った。