甘いヒミツは恋の罠
「北野さん!」
紅美が勢いよく屋上の重い扉を開くと、そこに驚いた表情で振り返る結衣の姿があった。
「皆本……さん? どうして……」
信じられないものを見るかのように結衣は目を見開いて紅美を凝視した。
「やっぱりここにいた」
冷たい風が頬や髪をなでると、コートを着ていない身体がぶるりと震えた。
「北野さん、前に考え事をする時は屋上がベストスポットだって言ってたのを思い出したんです」
「……そう」
日も暮れかかって夕日がオレンジ色に美しく輝いている。結衣は紅美から視線を移し、じっと眼下に広がる景色を見つめた。
紅美が勢いよく屋上の重い扉を開くと、そこに驚いた表情で振り返る結衣の姿があった。
「皆本……さん? どうして……」
信じられないものを見るかのように結衣は目を見開いて紅美を凝視した。
「やっぱりここにいた」
冷たい風が頬や髪をなでると、コートを着ていない身体がぶるりと震えた。
「北野さん、前に考え事をする時は屋上がベストスポットだって言ってたのを思い出したんです」
「……そう」
日も暮れかかって夕日がオレンジ色に美しく輝いている。結衣は紅美から視線を移し、じっと眼下に広がる景色を見つめた。